フィンランドにある8つのユネスコ世界遺産を探訪

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夏のスオメンリンナ要塞。

クレジット: Jussi Hellstén

一目でわかるフィンランドのユネスコ世界遺産

18世紀の木造の町を散策したり、要塞の島スオメンリンナを船で訪ねたり、かつて天文学者たちが地球の測定を行っていた場所に立ってみたり、あるいはユネスコ世界遺産に新たに登録されたフィンランドの建築、アルヴァ・アアルトの建築を見学したりしましょう。

フィンランドにはユニークな名所や美しい自然が数多くありますが、その中でも特に傑出した場所として認められているのが、7件の文化遺産と1件の自然遺産です。これらは、将来の世代のために正式に保護されています。

それぞれの場所の魅力を以下に紹介しています。

記事掲載日:2026年8月14日。

クレジット: City of Rauma

概要:フィンランドのユネスコ登録遺産

  • フィンランドには、ユネスコ世界遺産が文化遺産7件、自然遺産1件の合計8件あります。
  • 最も古い登録:ラウマ旧市街とスオメンリンナ要塞、いずれも1991年
  • 最も新しい登録:「アアルト・ワークス(アアルト作品群)」―アルヴァ、アイノ、エリッサ・アアルトによる建築、2026年登録
  • ユネスコ世界遺産は、西海岸のラウマ旧市街からフィンランド・ラップランドのシュトルーヴェの測地弧に至るまで、全国に点在しています
  • ほとんどの観光地へは、最寄りの都市まで電車で移動し、そこからタクシー、バス、またはレンタカーで少し移動すればアクセスできます
クレジット : Jussi Hellstén

1.ヘルシンキのスオメンリンナ要塞

フィンランドで最も人気のある観光名所のひとつであるスオメンリンナ要塞は、ヘルシンキを訪れたら必ず立ち寄りたいスポットです。スウェーデン王室が、ロシアからフィンランドを守るため、1748年にスオメンリンナ(スウェーデン語では「スヴェアボルグ」)の建設を開始しました。6つの島にまたがるこの海上要塞は、当時、技術の粋を結集して建てられました。

現在、この場所はユネスコ世界遺産に登録されており、その歴史的な魅力と村のような雰囲気で訪れる人々を魅了しています。スオメンリンナ行きの公共交通機関のフェリーは、カウッパトリ・マーケット広場から出ています。所要時間はわずか15分で、フェリーは一年中運航しています。夏には、民間のフェリー会社もスオメンリンナ行きの便を運航しており、ロンナ島やヴァリサーリ島といった近隣の島巡りも手軽に楽しめます。

スオメンリンナでは、島々を散策したり、古いトンネルを探検したり、ただ海辺でくつろいだりして、あっという間に一日を過ごせます。水泳や日光浴を楽しめる小さな砂浜もあるほか、小さな博物館もいくつかあります。スオメンリンナの美しい歴史的建造物には現在も人々が暮らしているので、見学の際は住民のプライバシーを尊重することもお忘れなく。

スオメンリンナは、ピクニックにおすすめのスポットとして特に人気があります。オールド・マーケット・ホールでおやつや飲み物を買い、HSLのフェリーに乗って、島々のどこかに自分だけの静かなピクニック場所を見つけましょう。ピクニックの用意をしていなくても、大丈夫。スオメンリンナには、カフェやバー、レストランがいくつかあります。

スオメンリンナは、冬でも訪れることができます。雪に覆われたこの島は、とりわけロマンチックな雰囲気に包まれます。清々しい海風を浴びながら散歩をした後は、コーヒーやキャンドルライトのディナーが格別においしく感じられます。

クレジット: Julia Kivelä
Credits: Suomenlinna, Arttu Kokkonen

2.アアルト・ワークス:フィンランドにあるアルヴァ、アイノ、エリッサ・アアルトによる13の建築物

クレジット: Juho Kuva

名前は初めて耳にする方でも、アアルト夫妻の作品はすでにご存知かもしれません。曲線美を特徴とする木製の椅子やガラス作品は、モダンなデザインの定番となっています。

アルヴァ・アアルト(1898–1976)は、モダニズム運動に革命をもたらした建築家・デザイナーです。同じく建築家である妻のアイノ・アアルト(1894–1949)、そして後妻のエリッサ・アアルト(1922–1994)とともに、人々のウェルビーイングを支える空間を創り上げました。アアルトは自身のデザイン哲学を「有機的機能主義」と呼んでおり、実用的で温かみがあり、自然から取り入れたデザインが特徴です。

アルヴァ、アイノ、エリッサ・アアルト夫妻が設計したフィンランド国内の13か所の「アアルト・ワークス」が、ユネスコの世界遺産に新たに登録されました。

ヘルシンキでは、アルト自邸と、ムンキニエミ地区にあるスタジオ・アアルトを訪れることができます。この2つはアアルト関連の必見のスポットです。また、トーロンラフティ湾沿いのフィンランディア・ホールで開催されるコンサートやイベントに参加したり、カッリオ地区にある文化の家で音楽ショーを観覧したりすることもできます。

アアルトの重要性を示す最も良い例のひとつが、ヘルシンキから車で約2時間の場所にある「パイミオのサナトリウム」です。アアルトが癒しの環境として設計したこのサナトリウムは、インテリアデザインや建築のファンにとっては日帰り旅行で訪れてみたい魅力的な場所となっています。

Credits: Finlandia Hall
クレジット : Paimio Sanatorium
クレジット: Maija Holma, Alvar Aalto Foundation

フィンランド中部にある故郷の街ユヴァスキュラでも、アアルトの足跡を辿ることができます。この湖水地方の町を訪れる建築愛好家にとって、Aalto2美術館は必見のスポットです。同様に、ユヴァスキュラ大学のアアルト・キャンパス、セイナッツァロの村役場、そしてアアルトの夏の別荘でありアトリエであったムーラッツァロの実験住宅も必見です。

そのほか、ユネスコに認定されている「アアルト・ワークス」には、ヘルシンキのフィンランド国民年金協会(KELA)、ポリのマイレア邸、コトカのスニラパルプ工場と住宅地区、イマトラの三つの十字架の教会、そしてセイナヨキのセイナヨキ市民センターがあります。

13か所の世界遺産に加え、より広範な「アルヴァ・アアルト・ルート」は、フィンランド全土にある数多くの重要なアアルト関連スポットを結んでおり、旅行者が、世界で最も影響力のある建築家の一人の遺産を、さらに深く探求することができます。

アアルトの家具は、フィンランドの家庭や公共の場でも見かけることができます。これらの愛され続ける名作は、今も変わらず美しく、実用的です。アルヴァ・アアルトのデザインによる花瓶は、現在もイッタラ社で製造されており、デザイン愛好家にとって最高のお土産となります。

アクセス方法: ヘルシンキにある5つのスポット(アアルト自邸、スタジオ・アアルト、フィンランディア・ホール、文化の家、KELA)は、いずれも市内からトラム、地下鉄、または徒歩でアクセス可能です。コトカにあるスニラへは、車が最も便利です。その他の世界遺産へは、以下の行き先への直通列車をご利用ください:

  • ユヴァスキュラ:セイナッツァロの村役場、ムーラッツァロ、アアルト・キャンパス
  • トゥルク:パイミオのサナトリウム(トゥルクから車やバスで少しの距離です。トゥルク地域でのバス旅行の計画は、foli.fi で立てることができます)
  • ポリ:ノールマルックにあるマイレア邸。ポリからは車で20分
  • セイナヨキ:市民センター
  • イマトラ:三つの十字架の教会
クレジット: Juho Kuva, Villa Mairea
クレジット : Karri Laitinen, Sunila
クレジット: Tero Takalo-Eskola, Visit Jyväskylä

3.ラウマ旧市街

フィンランドの西海岸にあるラウマ旧市街は、中世の町の中心部として想像するような雰囲気とは異なり、15世紀に建てられた聖十字架教会を囲むように、約600軒のカラフルな木造家屋が立ち並んでいます。この木造の町は大火で消失した後、再建され、現在の建物のほとんどは18世紀から19世紀にかけて建てられたものです。

今日、ラウマ旧市街は、小さなカフェやレストラン、お店が軒を連ねる、活気あふれる住宅・商業地区となっています。夏にのんびりと散歩を楽しむには絶好の場所ですが、クリスマスの季節の雪に覆われた路地も、また格別な魅力があります。

お腹が空いたら、地元で人気の「Wanhan Rauman Kellari」へ足を運び、伝統的なフィンランド料理を味わってみましょう。デザートなら、「Wanhan Rauman KaffeBar」が、おいしいケーキやペストリーで知られています。パンケーキやバニラクリーム入りのドーナツは、この地域の名物の一つです。宿泊施設では、ブティックホテル「Hotelli Vanha Rauma」に勝るものはほとんどありません。

地元の手工芸品は、お土産にぴったりです。ラウマは美しいレースで知られており、毎年7月に開催されるレース祭り「Rauman pitsiviikot」で、その伝統を祝っています。

アクセス方法:現在、ラウマ行きの直通列車はありません。ポリまで電車で行き、そこからタクシーまたはバスで約50キロメートルあります。車なら、トゥルク、ポリ、タンペレからラウマまで簡単にアクセスできます。

クレジット : Visit Rauma
クレジット: Visit Rauma, City of Rauma

4.ペタヤヴェシの古い教会(ユヴァスキュラ近郊)

クレジット: Visit Jyväskylä, Tero Takalo-Eskola

中央湖水地方にあるペタヤヴェシの古い教会は、驚くほど素晴らしい光景です。その美しい木造の教会は、湖畔からまっすぐにそびえ立っているかのようで、まるで絵画のような風景です。教会の内部も独特の雰囲気です。つややかな感じ、精巧な彫刻、そして床の梁に見られるわずかな不規則さは、何世紀も前にこの建物を建てた地元の棟梁の手腕を物語っています。

1763年から1765年にかけて、ルーテル教会の小さな教区のために建てられたこの北欧木造建築の傑作は、すべて丸太で造られています。ルネサンスやゴシックの影響が見て取れますが、地元の棟梁ヤーコ・レッパネンによって、独特の北欧スタイルで表現されています。この鐘楼は、1821年に彼の孫エルッキ・レッパネンによって増築されました。

19世紀後半には、教会は廃墟となっていたため、原型がそのままの状態で残っています。1920年代に修復され、1994年にユネスコ世界遺産に登録されました。現在でも、この教会は夏の間、地元の教区によって利用されており、人気の結婚式場として親しまれています。

ペタヤヴェシの古い教会は、フィンランド中部の中心部、湖水地方にあるユヴァスキュラ市の近くに位置しています。森や湖、伝統的なサマーコテージに囲まれたこの場所は、ユヴァスキュラ地方での休暇や、フィンランドを巡るドライブの旅の途中で立ち寄るのに最適のスポットです。

アクセス方法:ヘルシンキからユヴァスキュラまで直通列車が運行しています。ユヴァスキュラからは車またはタクシーで西へ約30キロメートルの場所にあります。

クレジット : Visit Jyväskylä, Tero Takalo-Eskola
クレジット: Visit Jyväskylä, Tero Takalo-Eskola

5.ヴェルラ砕木・板紙工場(コウヴォラ地域)

ヴェルラ工場では、フィンランドの「緑の金」とも呼ばれる林業の歴史に触れることができます。

ヴェルラ砕木・板紙工場は、1882年にフィンランド南東部のキュミ川渓谷北部、ヴェルランコスキの急流のほとりに建設されました。ここではパルプ、紙、板紙の生産が盛んに行われ、林業はフィンランドの発展において極めて重要な役割を果たしました。労働者のために、工場周辺に住宅地が建設され、小さな田園工業集落が形成されました。

1964年に操業が停止され、工場はほぼ手つかずのまま残されました。今日、この場所は、かつて北欧や北米各地に広く見られた工場町のうち、現存する数少ない例の一つとなっています。

赤レンガ造りの建物は現在は博物館になっており、夏には工房やブティック、展示会なども訪れることができます。ここと周辺の自然を散策した後は、歴史的な趣あふれる素晴らしい雰囲気のレストラン「Patruunan Pytinki」で地元の料理を楽しんだり、「Mill Magazine Café」に立ち寄ってシナモンロールとコーヒーを味わったりしてみてはいかがでしょうか。

ヴェルラはコウヴォラ地方にあり、この地方には美しいレポヴェシ国立公園もあります。ご家族連れには、ティッキマキ・アミューズメントパークもおすすめです。また、自然愛好家の方は、周辺の湖畔エリアでのハイキングやカヌーも楽しめます。ヴェルラは、ヘルシンキから車で2時間弱の距離にあるため、日帰りで気軽に訪れることもできます。

アクセス方法: ヘルシンキから電車で1時間強のコウヴォラまで行き、そこからはタクシーまたはレンタカーで残り約30キロメートルです。夏には、週末限定の季節バスも運行されます。

クレジット : Julia Kivelä
クレジット: Julia Kivelä

6.クヴァルケン群島(ヴァーサ)

クレジット: Visit Vaasa

フィンランド全土には息をのむような自然が広がっていますが、ボスニア湾にあるクヴァルケン群島は、フィンランドで唯一の自然遺産としてユネスコ世界遺産に登録されています。このユニークな群島はスウェーデンと共有しており、氷河期の氷河によって形作られました。最終氷河期以降も、地殻は依然として年間約1センチメートルのペースで隆起を続けており、クヴァルケン群島の入り江や海岸線、そして数千もの島々の形状を形作り、変化させています。風景の変化は、人の一生の間にさえ見られます。

クヴァルケン群島は、自然愛好家や野鳥観察者にとって楽園です。水深が浅く、水温の低いラグーンや池には、春になるとアカノドカイツブリやクロウミガラス、そして渡りをするツルやノスリが集まってきます。

フィンランド西海岸にあるヴァーサ市から、この自然の驚異を訪れることができます。クヴァルケン群島へは、ヴァーサから車でわずか20分でアクセスでき、フィンランドで最も長い橋の一つであるレプロット橋が架かっています。

クヴァルケン群島は、単なる自然だけではありません。漁師の小屋やサマーキャビン、サウナが見られ、レストランやカフェもあります。一泊したい場合は、ゲストハウス「Merenkurkun majatalo」をチェックしてみましょう。

アクセス方法: ヘルシンキとヴァーサ間は直通列車が運行しています。ヴァーサ市内から群島までは車で約20分、夏期は船での移動も可能です。

Credits: Jaakko Salo

7.シュトルーヴェの測地弧

フィンランド・ラップランドのアーバサクサで、トルニオ川渓谷を見下ろす広大な国立景観にうっとりするこの場所は、200年前に科学史に残る偉業が成し遂げられた場所なのです。

1816年から1855年にかけて、天文学者のフリードリヒ・ヴィルヘルム・シュトルーベは、ノルウェーのハンメルフェストからウクライナの黒海に至る一連の三角測量を実施し、地球の大きさや形状を正確に測定することに貢献しました。「シュトルーヴェの測地弧」として知られるこの測量点ネットワークは、10か国、2,820キロメートルにわたって伸びており、そのうち6カ所はフィンランド国内にあり、エノンテキエ

やアーバサクサからフィンランド南部のピュフターまで広がっています。この並外れた科学的成果は、ユネスコ世界遺産として保護されています。

アーバサクサの測量地点から望む息をのむような絶景を楽しむのに、測地学の知識は必要ありません。この地域の自然の美しさは、何世紀にもわたって旅行者を魅了してきました。歴史ある「ケイサリンマヤ(皇帝の別荘)」は、ロシア皇帝アレクサンドル2世のために建てられたもので、今日でも、その雄大な景色やハイキングコース、そして幻想的な白夜を求めて多くの観光客が訪れています。

夏には、ハイキング、マウンテンバイク、カヌー、ラフティングなどを楽しめます。秋はアウトドアでの活動やオーロラを楽しむのに絶好の季節ですが、冬になるとアーバサクサは、雪に覆われた丘や森が広がる、人里離れたおとぎの国へと姿を変えます。

屋外で1日過ごした後は、「Kaamos Lodge」で王侯貴族のような宿泊体験をお楽しみください。その建築は周囲の景観と見事に調和しており、サウナやインフィニティプールからは素晴らしい眺めを楽しむことができます。「WALD Villas」も、素晴らしい選択肢の一つです。各室に専用サウナを備えたこのモダンなログハウスは、自然の中で過ごすのに理想の宿です。

アクセス方法:ユリトルニオには、ヘルシンキからコラリへの夜行列車に乗って、ユリトルニオ駅で降ります。中には、自動車運搬用貨車を利用して自家用車を乗せて移動できる列車もあります。ユリトルニオからアーバサクサまでは、車やタクシーでほんの少しの距離です。フィンランドのすべての列車路線および時刻表については、vr.fiをご覧ください。

クレジット: Matti Björninen

8.サンマルラハデンマキの青銅器時代の石塚墳

ラウマから内陸へ約20キロメートルの場所に、青銅器時代にさかのぼるもう一つの史跡、古代の墓地サンマルラハデンマキがあります。

自然遊歩道を少し歩くと、岩が露出した神秘的な風景と、3,500年近く前に築かれた36基の石塚が広がる場所にたどり着きます。フィンランドの森に囲まれたこの場所は、先史時代の暮らしを垣間見ることができる魅力的なスポットです。墓地ができた当時、海岸線はこの辺りまで続いていました。

サンマルラハデンマキは入場無料で、5月1日から10月31日まで一般公開されています。

案内板にはこの遺跡の歴史が解説されていますが、地元のガイドに案内してもらえば、古代フィンランド人の信仰や埋葬の慣習について、より深く理解することができます。

アクセス方法:サンマルラハデンマキへは定期的な公共交通機関がありません。ラウマから車またはタクシーで行くことができます。夏には、ラウマ中心部から一般向けのツアーも運行されています。また、グループ向けのプライベートツアーを手配することも可能です。

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