一度は訪れたい、フィンランドのクラシックレストラン

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ヘルシンキのレストラン「シーホース」の店内

クレジット: Restaurant Sea Horse

地元民が太鼓判を押す、フィンランドの味を堪能できる伝統レストラン

フィンランドのレストランシーンは、トレンド感あふれる話題のグルメスポットが次々と登場し、今まさに盛り上がりを見せています。でも、時には「時を重ねた味」こそが、心に響くもの。昔ながらの雰囲気漂うビストロや、歴史あるレストランでは、クラシックなフィンランド料理が、唯一無二の温かな空間とともに楽しめます。フィンランド語では、こうしたお店を「コルッテリラヴィントラ(kortteliravintola)」と呼びます。

本物のフィンランドを味わいたいなら、地元で長年愛され続ける、こちらの名店をぜひ訪れてみてください。

シーホース(Sea Horse)|ヘルシンキ

1933年創業のレストラン「シーホース(Sea Horse)」は、ヘルシンキを代表する老舗。唯一無二の内装、個性豊かなアート、そして芸術家や文化人たちのたまり場としても知られています。ニシンのフライ、ヴォルシュマック、ミートボールなど、フィンランドの定番料理がメニューの中心。なかでも玉ねぎを添えたステーキは絶品です。場所はデザイン・ディストリクトや海辺からも徒歩圏の、活気あるプナヴオリ地区。

クレジット: Restaurant Sea Horse

エリート(Elite)|ヘルシンキ

1932年創業の「レストラン・エリート(Elite)」は、長年にわたってフィンランドの著名なアーティストやスターたちに愛されてきた名店です。フィンランドやヨーロッパのクラシック料理が、代々受け継がれてきたレシピで丁寧に調理されています。夏は緑あふれるテラスでドリンクを、冬は伝統のブリニ(そば粉のパンケーキ)を、温かい付け合わせとともに楽しんでみてください。

クレジット : Restaurant Elite
クレジット: Restaurant Elite

コスモス(Kosmos)|ヘルシンキ

1924年創業の「コスモス(Kosmos)」は、100年を超える歴史を持つフィンランドのレストラン。エリートから一般客まで、幅広い層に長く親しまれています。現在も創業家族が運営を続け、中心街カレヴァンカトゥに店を構えています。メニューは伝統的なフィンランド料理をベースに、フランス、スウェーデン、ロシアの影響も感じられるクラシックなヨーロピアンスタイルです。

クレジット: Restaurant Kosmos

コルメ・クルーヌア(Kolme Kruunua)|ヘルシンキ

絶品ミートボールを求めるなら、エレガントなネオクラシカル様式の街並みが美しいクルーヌンハカ地区にある「コルメ・クルーヌア(Kolme Kruunua/三つの王冠)」へ。1952年の創業以来、インテリアもメニューもほとんど変わらず、長年の常連も初めて訪れる人も温かく迎え入れてくれます。木の壁、ヴィンテージの照明、真っ白なテーブルクロス、壁や窓に飾られたアート作品が、心地よい雰囲気を作り出しています。

クレジット: Restaurant Kolme Kruunua

その他のヘルシンキの名店

ヘルシンキのメイラハティ地区にある「メイク(Meiccu)」は、1946年創業のクラシカルなレストラン。上品で温かみのある店内と、フィンランドの旬の素材を使った伝統的なヨーロッパ料理が魅力です。

「コンスタン・モルヤ(Konstan Möljä)」は、カンッピ地区にある家族経営の可愛らしいレストラン。カレリアンパイやトナカイのシチューなど、フィンランドとカレリア地方の家庭料理をビュッフェスタイルで楽しめます。船のインテリアが印象的な、居心地の良い空間です。

ヘルシンキの伝統レストランをもっと知りたい方は、MyHelsinki.fiをご覧ください。

クレジット: Restaurant Konstan Möljä

Brahen Kellari|トゥルク

歴史ある港町トゥルクは、トレンディなレストランが集まる街としても有名ですが、ノスタルジーを感じたいときにぴったりなのが「ブラヘン・ケッラリ(Brahen Kellari)」。1967年創業のこのレストランは、市内で最も長く営業を続けている一軒で、家庭的な雰囲気と丁寧なサービスが魅力です。エスカルゴや魚のソテー、ボリュームたっぷりのステーキなど、フィンランドとヨーロッパのクラシックな味が楽しめます。

クレジット: Restaurant Brahen Kellari

Reposaari(レストラン・レポサーリ)& Wanhan Rauman Kellari|ポリ & ラウマ

ポリの美しい沿岸に浮かぶレポサーリ島は、旅の途中に立ち寄りたい秘境。1838年築の木造ヴィラに佇む「レストラン・レポサーリ(Reposaari)」では、伝統的な魚料理を中心とした絶品シーフードが味わえます。実はこの店、フィンランド最古のレストランでもあるのです。

一方、世界遺産に登録されたラウマ旧市街のすぐそばにある「ワンハン・ラウマン・ケッラリ(Wanhan Rauman Kellari)」は、もともと防空壕として使われていた歴史的建物を活かしたレストラン。何十年も地元で愛されており、夏にはテラス席が人気の集いの場になります。

クレジット: Wanhan Rauman kellari

Sokeri-Jussin Kievari & Sarkka|オウル

フィンランド北部の街オウルで、地元らしさを味わうなら「サルッカ(Sarkka)」へ。1941年創業のこのレストランは、フィンランド流のガストロパブ体験ができる一軒。家庭的な料理と地ビール、締めくくりにはカラオケも楽しめる、賑やかな雰囲気が魅力です。

より落ち着いた雰囲気を求めるなら、ピキサーリ島にある「ソケリユッシン・キエヴァリ(Sokeri-Jussin Kievari)」へ。150年以上前に建てられた丸太造りの建物で、祖母のレシピをベースにした、地元産の食材による伝統的かつ季節感あふれる料理が提供されます。

クレジット: Sokeri-Jussin Kievari

Ohranjyvä|タンペレ

タンペレに来たら、地元の人々に長年愛される「オーランユヴァ(Ohranjyvä)」をぜひ訪れてみてください。1965年創業のカジュアルな近所の食堂兼バーで、気取らないフィンランド料理やビールが楽しめます。ビンゴナイトやクイズ、ライブ音楽などのイベントも定期的に開催。なかでも、昔ながらの豚バラソース「ラエスキソースィ」に特化した「ラエスキソースィ・デー」は大人気です。

クレジット: Restaurant Ohranjyvä

Tillikka|タンペレ

より洗練されたディナーを楽しみたい方には、「ティリッカ(Tillikka)」がおすすめ。1912年創業のこのレストランは、タンペレ中心部の国立景観「タメルコスキ」沿いに位置し、長年にわたり文化人や芸術家たちの憩いの場となっています。メニューには、昔ながらの定番料理から最新トレンドを取り入れた一品まで幅広く揃い、雰囲気も抜群です。食後は、近くの伝説的パブ「コルヴァティリッカ(Korvatillikka)」で締めくくるのもおすすめ。

クレジット: Restaurant Tillikka

Pispalan Pulteri|タンペレ

「ピスパラン・プルテリ(Pispalan Pulteri)」にはちょっとユニークな背景があります。1968年、フィンランドの国営アルコール会社「アルコ(Alko)」が試験的に立ち上げたレストランで、今では全国的に知られる存在に。なかでも名物の「スーパーステーキ」は、創業当時から変わらぬ人気を誇る看板メニューです。

タンペレのピスパラ地区は、歴史ある木造住宅が建ち並ぶ美しいエリアです
クレジット: Julia Kivelä

Muikkuravintola Sampo|クオピオ

東部湖水地方の中心都市クオピオは、フィンランドの郷土魚「ムイック(muikku)」=ワカサギのような小魚で有名です。「ムイックラヴィントラ・サンポ(Muikkuravintola Sampo)」は、90年以上にわたりムイック料理を専門に提供してきた、まさに地元の味を代表する存在。伝統的なカリカリ揚げスタイルはもちろん、ムイックバーガーなどユニークなメニューも人気です。

クレジット: Restaurant Sampo

Harmooni|ユヴァスキュラ

中央湖水地方の街ユヴァスキュラにある「ハルモーニ(Harmooni)」は、かつてハーモニウム工場だった建物をリノベーションしたレストラン。美しい木のインテリアとアーチ型の天井が印象的な空間で、近隣の森や湖、農場から届く旬の素材を使った繊細な料理を提供しています。ノスタルジックで上質な雰囲気に包まれながら、地元の恵みを味わうことができます。

クレジット : Restaurant Harmooni
クレジット: Julia Kivelä

Kissanviikset & Sohwi|ユヴァスキュラ

「キッサンヴィイクセト(Kissanviikset/猫のヒゲ)」は、60年以上にわたりユヴァスキュラで親しまれてきたレストラン。定番の人気メニューはもちろん、季節ごとに変わるスペシャル料理も提供されます。運が良ければトナカイ料理にも出会えるかもしれません。

学生の街として知られるユヴァスキュラで、学者や学生たちの集いの場となってきたのが「ソフウィ(Sohwi)」。1968年創業のこのレストランでは、手頃な価格でボリュームのある家庭料理を提供。夏にはテラス席が街で最も人気のあるスポットになります。

クレジット: Restaurant Sohwi

Roux|ラハティ

南部湖水地方の都市ラハティにある「ルー(Roux)」は、美食家たちが集うクラシックレストラン。1912年築の元薬局の建物を活用し、フレンチのエッセンスとモダンな感性を融合させた季節料理を提供しています。エレガントながらもリラックスできる雰囲気のなか、ワインとの絶妙なペアリング、そしてトナカイを使った一皿など、フィンランドとヨーロッパの美食文化を体験できます。

クレジット : Restaurant Roux, Johannes Wilenius
クレジット: Restaurant Roux, Johannes Wilenius

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