フィンランドのツイストの効いたラグジュアリー - おすすめ8
フィンランド人にとって、ラグジュアリーとはキラキラ光るものや豪華なロゴのことではありません。わたしたちは、質の高さと思い出に残る体験を大切にしています。春夏秋冬、どんな季節でもそんな体験が容易に見つかります。
1000の湖のある国フィンランドを訪れる旅行者のほとんどが、フィンランドのピュアな空気や手つかずの自然が最高の贅沢だと感じています。
しかし、さらに自分を甘やかして贅沢に過ごしてみたくなった時のために、フィンランドのツイストの効いたラグジュアリーが体験できる8つの場所をご紹介します。
2019年11月の記事 文 : Mirva Saukkola
ヘルシンキ – ラグジュアリーホテル、象徴的なカフェなど
フィンランドの首都の中心で贅沢なホテルを探すのはそれほど難しいことではありません。ヘルシンキのホテルシーンはブームを迎えていて、次々に新しいホテルが誕生しています。その一つがHotel St. Georgeで、このホテルにはリラクゼーションプールのあるラグジュアリーなスパもあります。最新のシックなホテルには、現代芸術の中国人アーティストAi Wei Wei.など、世界の有名なアーティストによる素晴らしい作品があちこちに置かれています。海の景色がお好みなら、Hotel Havenはいかがでしょうか。高級ブティックホテルには、ロシア式のウスペンスキー大聖堂の素晴らしい風景が見えるお部屋もあります。19世紀のすばらしいダイニングルームで、Havenのおいしい朝食から真にエレガントな1日を始めて見ましょう。街の真ん中には、小さいながらも非常にラグジュアリーなヘルシンキのホテルの象徴、Hotel Kämpがあります。
フィンランドは世界のどの国よりも一人当たりのコーヒー消費量が多い国だということをご存知でしたか?たいていは普通のフィルターコーヒーとして家庭で飲まれていますが、もっと洗練されたコーヒーブレイクはいかがでしょうか。街一番の伝統あるカフェEkbergは、1852年からスイーツ好きにケーキとコーヒーを提供してきました。パステルカラーの内装と甘いマカロンがマリー・アントワネットのごちそうを彷彿させるChez Janetもあります。よく言われるように、ラグジュアリーはディテールにあります。
ヘルシンキでは、倫理にかなったスタイリッシュなショッピングが簡単に楽しめます。Kämp Gardenでは、非常に幅広いフィンランドファッションとデザインを提供しています。Arelaの高質のカシミア、Mert Otsamoのイブニングガウンを始め、様々なものがあります。Fredrikinkatu通りでは、AmadoやSoma Omaのような魅力的な小さなショップで、セカンドハンド・ラグジュアリーを探すこともできます。Reloveでは、リサイクルファッション、ヴィーガンのごちそうやオーガニックワインが楽しめます。
ポルヴォー – 歴史的魅力とおいしいもの
小さな街ポルヴォーは、ヘルシンキの中心から50km以内にある素晴らしい中世の街です。夏もクリスマスシーズンも同様に素敵ですが、夏なら、1912年に造船され、この街に住んでいた国家的詩人にちなんで名付けられたM/S J. L. Runeberg(ルーネベリ号) に乗ってポルヴォーを訪れてみるのはいかがでしょうか。美しいフィンランドの群島を眺めながらポルヴォーまでの旅が楽しめます。風景を楽しみ、おいしいサーモンスープに舌鼓を打ちましょう。
ポルヴォーには、質の高いレストランがたくさんあり、食通にとって最高の場所です。一番人気のレストランの一つが、イタリアの風味と地元の食材を組み合わせた料理を出しているSicapelleです。おいしいレシピを創り出しているのは、シェフのSimona Milazzoさんです。Saltもおすすめです。シェアできる料理を出すのんびりしたレストランで、教会の隣の古くて印象的な木造の建物の中にあります。
ポルヴォーの狭い通りでは、アンティークやヴィンテージのお買い物も楽しめます。Antique Houseでは昔のカトラリーや磁器、ガラス製品、ジュエリーなど、素晴らしいコレクションを扱っています。
しっかり買い物や食事、ワインを楽しんだ後は、休養が必要です。Pariisin Villeにお部屋を予約しておきましょう。このブティックホテルの名前は、ベルエポックの彫刻家でかつてポルヴォーとパリに住んでいたVille Vallgrenにちなんでつけられたものです。豪華なAleksanterin Sviittiで、皇帝のように眠りにつくことができるでしょう。この建物には、1809年にポルヴォーで行われた国会の間ロシア皇帝アレクサンドル一世が滞在していました。
SicapelleとPariisin Villeの写真:by Kia Arpia (Brinna).
タンペレ – ジャズの世代とヴィンテージの魅力が融合
フィンランドで3番目に大きな街タンペレは、赤レンガの産業建築とロックミュージックで有名ですが、フィンランドのツイストの効いたラグジュアリーも楽しめます。タンメル川の岸辺にあるRadisson Blu Grand Hotel Tammerは素晴らしいホテルです。ホテルの中に入ると、アガサ・クリスティーのエルキュール・ポアロ探偵のミステリー小説の世界に足を踏み入れてしまったような気分になります。1929年に建築された美しいアールデコのホテルの内装は、ジャズの時代を思い起こさせます。クリスタルのシャンデリアの下で、地産の食材を使ったおいしい食事が楽しめる素晴らしいダイニングルームにも忘れずに行ってみましょう。
タンペレには、日本人からとりわけ人気のかわいいアニメキャラクターの美術館ムーミン美術館など有名な美術館や博物館もあります。ラグジュアリーを求める旅行者には、あまり知られていない緑の公園に囲まれたエレガントな石造りのヴィラMilavidaの博物館がとっておきの場所です。この建物にはかつて、裕福な製造業者von Nottbeck家が住んでいました。ベルエポックの時代の上流階級の生活を垣間見ることのできるホームミュージアムであるだけでなく、しばしばファッション関係の巡回展の会場にもなっています。博物館にはカフェもあります。
タンペレは、ヴィンテージ・ショッピングに最高の場所です。Vintage Gardenは、女性らしいドレスや大胆なアクセサリーが好きな女性のお気に入りです。Helga-Neitiでは、Max Mara、Hugo Boss、Marimekkoなど、最近のブランドの質の高いセカンドハンドのファッションを提供しています。また、Kätkö Vintageでは、昔のガラス製品や陶器など、インテリアデザインのお買い得商品が見つかります。
ラハティ – 音楽、食事、最新のテイスト
ラハティ市は、ヘルシンキから電車で約1時間北に行った場所にあり、スポーツイベント、とりわけウィンタースポーツで有名な湖水地方の小さな街です。
最近では、フィンランドで最高のコンサートホールの一つがある場所としても知られています。Sibelius Hall(シベリウスホール)ヴェシヤルヴィの美しい湖畔にあるホールでは、クラシック音楽やポップミュージックのコンサートが開催されます。印象的な建物は昔の工場の建築と現代的な木造建築を組み合わせたものです。
音楽だけでなく、ラハティでは美食も楽しめます。エレガントでありながら居心地のよいレストランRouxでは、北欧とフランスの影響を受けた料理を提供しています。このレストランは素晴らしいワインセラーでも有名です。Bistro Popot は、同じ場所で何十年も営業していた靴屋にちなんで、靴の名前がついたレストランです。Bistro Popotでは、地産の食材を使ったモダンテイストを提供しています。
ショッピングならPetit St. Louisはいかがですか。小さなかわいいお店では、流行に敏感でトレンディーな服、ByredoやDiptyqueの魅力的なフレグランス、Charbonnel & Walkerのチョコレートなどを取り扱っています。
Petit St. Louisの写真:by Femboart
サヴォンリンナとサイマー湖 – 大自然の中のラグジュアリー
サヴォンリンナは、フィンランド東部の湖水地方の街で、毎年7月にサヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルが開催されるフィンランドのオペラの中心地です。中世の城オラヴィンリンナは、1912年からずっと素晴らしいオペラの舞台となってきました。オペラフェスティバルの期間中は、国内外からたくさんの人がサヴォンリンナを訪れます。チケットとホテルは、かなり早めに予約しておきましょう。
オペラに行くのに着る物がないという人は? サヴォンリンナは小さな街ですが、フィンランドファッションの大御所Jukka Rintala氏など、たくさんのデザイナーを輩出していて、オペラフェスティバルの間、ポップアップショップがオープンします。フィンランドのファッションブランドMuotikuu は、サヴォンリンナにショップを構えています。Muotikuuは、とりわけ、肌寒いフィンランドの夏の夜にぴったりのニットウェアでよく知られています。
サイマー湖畔で一番エレガントな宿泊施設は、サヴォンリンナから30km離れたプンカハルユにあります。Hotel Punkaharjuは、フィンランド最古のホテルで1845年創業です。このホテルでは、地元の人たちから大統領まで、素晴らしい景色、居心地のよいお部屋、地産の食材で作ったおいしい食事でおもてなしします。オーナーの元モデルSaimi Hoyerは、メニューの定番、野生のキノコの専門家です。
トゥルクとナーンタリ – 西岸の歴史ある魅力
ヘルシンキから電車で2時間以内で行けるトゥルクは、フィンランド最古の街です。トゥルクの隣にある小さな街ナーンタリもぜひ訪れるべき場所です。トゥルクは、魅力ある中世のお城と大聖堂に加え、おいしいレストランのある場所として有名です。そのうちの一つKaskisは、大人気の小さなレストランです。(事前予約をお忘れなく!)Kaskisのメニューは、テイスティングメニューのみとなっているので、十分に時間を取って楽しみましょう。リラックスしてシンプルな食事を楽しみたいなら、Tintåに行ってみましょう。クールで居心地のよいレストランはアウラ川の岸辺にあり、肉好きにもヴィーガンにも素晴らしい食事を提供しています。
トゥルクはショッピングにも最高です。多くのお店で幅広い国際的なブランドを扱っていますが、フィンランドの製品に興味があるなら、Televisio boutiqueに行ってみましょう。このお店には、レディー・ガガやテイラー・スウィフトもお気に入りのフィンランドのデザイナーMinna Parikkaの魅力的な靴が並んでいます。あるいは、フィンランドを代表するデザイナーの一人Katri Niskanenのカクテルドレスはいかがですか。Televisioには、独自のシグネチャージュエリーコレクションもあります。
ナーンタリは1800年代に裕福なロシア人の間で非常に人気のあった古いスパの街です。ナーンタリには、贅沢なNaantali Spaがあります。このスパホテルは、2019年のワールド・トラベル・アワードでフィンランド最高のホテルに輝きました。シービューの広々としたお部屋、広いプールエリア、ビューティーサロンは、とりわけ時差ぼけに悩まされているときに自分にご褒美をあげるのに最高です。
オーランド諸島 – 群島で贅沢を
美しいオーランド諸島は、サイクリング愛好家に最高の場所です。平らな地形は、サイクリングしながら島の魅力を探るのにうってつけです。1日中サイクリングをした後にリラックスしたいなら、Havsviddenスパホテルが最高です。ホテルのお部屋、または海に面した崖の上にある小さなヴィラに滞在できます。晴れた夏でも嵐の秋の夜でも、いつでも素晴らしい滞在が楽しめます。プールに加え、様々なサウナや星空の下でのホットタブも楽しめます。
オーランド諸島は、グルメな旅行者にもおすすめです。レストラン、蒸留所、ベーカリー、ショップなどのあるおいしいお店Smakbynに行ってみましょう。Smakbynは、トップシェフMichael Björklundが創業し、地産の食材を使った料理を提供しています。
群島の日々の生活において、環境への配慮は際立っています。ショッピングンでも同じです。オーランド諸島で一番有名なファッションブランドLabelled は、リサイクル素材だけを使用しています。デザイナーのLinda Karlssonは、 着古した服からとても美しいドレスやブラウスなどを創り出します。ローカルジュエリーもあります。デザイナーRoberto Ferrariは、シルバーや地元の御影石を使って独自のブランドEle & Keleの印象的なジュエリーを創っています。
ラップランド – 非凡な宿泊施設と北極圏の魅力
地形、風景、貴重な北極圏の自然は、ラップランド最高のラグジュアリーです。多くの旅行者がオーロラを見てみたいと願い、天井から夜空が見えるガラスイグルーに泊まることを夢見ています。ラップランドには、文字通りオーロラを見ながらうたた寝できる場所がたくさんあります。上の写真は、ケミのシーサイド・ガラス・ヴィラの様子です。
居心地のよいコテージからグランピングまで、ラップランドは非凡な宿泊施設が見つかる、世界一とは言わないまでも、フィンランド最高の場所の一つです。まさに独特な宿泊施設なら、Nellimはいかがですか。Nellimは、ラップランド北部で4つのウィルダネスホテルを経営しています。もっと普通のホテルを探していて、それほど北までは行けないという人はLapland Hotelsの新しいシティホテルで美しいラップランドのインスピレーションを感じてみましょう。ヘルシンキにも一つLapland Hotelsのホテルがあります。地味でリラックスできる色、木、その他デザインのちょっとしたディテールなど、北極圏らしさいっぱいのインテリアを楽しみましょう。Anu PentikやReidar Särestöniemiなど地元ラップランドのアーティストの作品も飾ってあります。
ラップランドのファッションはいかがですか。Jukka PuljujärviとMarta ValtovirtaのHálo では、質のよい素材のエレガントなコートやドレスを作っています。Háloは、Reidar Särestöniemiの絵をコレクションのプリントに使う独占権を持っています。その他のプリントは、Hálo独自のデザインです。地元の多くのデザイナーの作品と同様にHáloの商品も、ロヴァニエミのKorundi ショップ で取り扱いがあります。Háloの旗艦店は、ヘルシンキのKämp Gardenにあります。
ピュハ – ルオスト地区で貴重な原石に興味があるなら、ピュハ・ルオスト国立公園に行き、ヨーロッパで唯一稼働中のアメジスト採掘場を訪れてみましょう。
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フィンランドについて
フィンランドでの「ラグジュアリー」は、みなさんがこの言葉を聞いて思い浮かべるものとは少し違っているかもしれません。ぜいたくや、キラキラ光るものではなくて、ゆっくりした時間を過ごし、一息入れて、お互いの結びつきを深め、軽くなった感覚を感じて・・・、ただそこにいるということ。
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