ラップランドで8つの季節を味わおう

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クレジット: Marko Vasara

北極圏の荒野を体験できる味

四季の美しさを自慢する地域は多いでしょうが、ラップランドには勝てないはず。季節の変化の微妙なニュアンスに敏感な現地の人々は、ラップランドには8つの季節があると言います。この多様性は地元の農産物やフィンランドのレシピにも感じられます。それぞれの季節に、唯一無二の大地から新鮮な恵みがもたらされるからです。

シリー・ユッリャシャルヴィとヘイディ・セイックラは、Kolari/コラーリにあるブティック・ホテル・Aurora Estate/オーロラ・エステートの共同創立者。彼らは、自らのレストランで責任を持って季節の食材を使用しています。彼らはレストランでお客がいない時間や、料理をしない時間は、魚を捕えるために凍りつくような川に腰まで浸かっていることもあります。

このページでは、ユッリャシャルヴィがラップランドの8つの季節について説明します。そして二人が出版した Recipes and Unforgettable Experiences: Lapland’s Eight Seasons(『レシピと忘れられない体験 – ラップランドの8つの季節』)という本から、季節にぴったりな料理をご紹介します。

クレジット: Marko Vasara

冬 – クリスマス

「1年は寒く暗い冬に始まります。最北端部では太陽は1か月以上も水平線の上に現れません。今は、ラップランド全体が雪に完全に覆われています。雪が反射する自然の光は非常に美しい!極夜とも呼ばれる暗いクリスマスの時間は、ただただ魔法のように不思議です。」

グルメ – クリスマスのテーブルには、バターミルクとスパイスを使って作った、フィンランドの伝統的な食品・甘いライ麦のパンが欠かせません。ユッリャシャルヴィは、オレンジジュースとビールのモルトを自分のパンに加えて風味をさらに高めます。

晩冬 – 凍るような冬

「昼の光が消えてだんだんと夜になっていく午後の時間には、ブルーモーメントを楽しむことができます。この時期は氷点下の気温になり、降雪量が少ないため、オーロラを眺めるのに最適な時期です。1年の最も暗い時期ラップランドでは、サウナでの入浴、アイススイミング、ボリュームたっぷりのスープ、香り高い自家製ベリージュース、濃厚な赤ワイン、ホットワインが人気です。」

グルメ – ブリニはロシアから来た料理ですが、フィンランドの人々も自分たち流のブリニを作るようになりました。ちっぽけなカナペは忘れてください。フィンランドのブリニは大きく、オニオンモトコクチマスの魚卵またはトナカイの燻製をのせ、さらにピクルスやビートルートを重ねて食べます。

クレジット : Tommi Hynynen

春 – 雪の表面が硬くなる季節

「春になると太陽は明るく輝き、気温は0度よりも高くなりますが、夜はまだ寒いです。気温はかなり変動することがあり、強風やブリザードがよく発生します。春には人々がアウトドアで過ごす時間がだんだんと増えていき、クロスカントリースキー、そり遊び、ダウンヒルスキー、スキーツアーを楽しみます。アウトドアは、食欲をそそる確実な方法です。」

グルメ – 酢漬け(ピクルス)や塩漬けは、秋の収穫物を冬や春を通して保存する手段としてフィンランド料理で伝統的に使用されてきました。ユッリャシャルヴィは、レッドオニオンをピクルスしてタルタルやトナカイの肉の燻製に付け合せることを提案しています。旨味にほどよい酸味が加わります。

Credits: Juha Laine

晩春 – 雪解け

「春と夏が戻ってくると、氷が溶けて割れます。フィンランド南部の人たちは夏に向けて庭を整え、中にはアイスフィッシングをまだ続ける人もいます。ただし、どこでできるかを調べる必要があります。0.5メートルの高さの積雪が残っていることもありますが、もはやスロープでスキーやスノーモービルを使用することはできません。丘に登り、スキーで降りるには、Tシャツとショートパンツを着用する必要があります!スライド式または伝統的なスノーシューをやってみるのも楽しいでしょう!」

グルメ – 日が長く明るくなってきました。そろそろ、祝いの季節です。アーモンドケーキは、デリケートなスポンジケーキ。光が増してきた日々にぴったりです。

クレジット : Tommi Hynynen
クレジット: Juha Laine

夏 – 白夜

「夏には、夜のない日が何週間も続きます。太陽は24時間出っぱなしになり、何週間も地平線の下に沈むことがありません。夜のない夜(白夜)は、フィンランド語ではkaamosとして知られる極夜と正反対の現象です。」夜になっても釣りができたり、丘をハイキングしたり、ドライブしたりできるのは素晴らしいこと。夏には、野草をたっぷり摘むことができます。最初に熟すワイルドベリーはコケモモです。」

グルメ – Toast Skagen/トースト・スカーゲンはエビのトーストと説明できますが、それだけでは語りつくせません。その味の秘密は、甘辛いエビ、ツーンとするサワークリームといった新鮮な食材です。そして、白夜を祝うために一杯のシャンパンを添えるとよいでしょう。

クレジット: Markus Kiili

晩夏 – 収穫のシーズン

「秋が深まり、初霜が降りる夜が来る前に、夏の収穫物を集めましょう。8月には、かごやバケツが一杯になるほどキノコ類、ホロムイイチゴ(クラウドベリー)、コケモモ(リンゴンベリー)、クロウベリーを摘むことができます。自分で採集したキノコで作った手作りのスープほど美味しいものはないでしょう。夏の終わりには、蚊がほとんどいなくなり、夕暮れが静かにやってきます。煙の立ち込めるサウナで身体を温め、湖でひと泳ぎして、薄暗い晩夏の夜を楽しむことほど幸せなことはありません。」

グルメ – 鮭のあぶり焼はラップランドで人気の料理です。直火で焼く料理ですのでキャンプ場でもよく作られます。湖で泳いで長い1日を過ごした後に、湖畔でこのジューシーな鮭を食べてみてください。

Credits: Tommi Hynynen

秋 – 色づきの季節

クレジット: Harri Tarvainen

秋は狩猟シーズンが始まる時期でもあります。ラップランドでは狩猟は人気のある娯楽です。多くの人々は、冬に備えて狩猟で得た肉を冷凍します。1年のうち、トナカイの肉が多く販売されるのがこの時期で、世界最高のタルタルステーキの材料となります。」

グルメ – さて、悪名高いザリガニパーティーを知る時がやって来ました。鮮やかな赤のエビは、歌を歌い、アクアヴィットを飲みながら、手を使って食べます。袖をまくって用意してくださいね。また、頭を食べるのを怖がらないでください。頭が一番美味しい部分なのですから。

晩秋 – 初雪

クレジット: Tommi Hynynen

「秋の終わりには、初雪があり、ラップランド一帯に静けさが広がります。現地の人々は休暇を過ごすために出かけます。長くて暗い季節ですが、空を切って踊るようなオーロラを観賞できるチャンスです。通常、雪が積もり始めると、狩猟や釣りができなくなります。厳しい冬の到来に備えて呼吸してエネルギーを蓄える時です。」

グルメ – トナカイ肉のタルタルステーキは、フィンランドで最も豊富で贅沢なお肉の食べ方の1つです。シンプルな料理法がワイルドでぴりっとした味わいを際立たせます。

Credits: Markus Kiili

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